1週間断続的に、心臓がヅキヅキと痛む。
間隔が狭まって、もう我慢できない。
午後7時、近くの救急病院へ。
僕は3番目だった。
1番目が下痢した子供とその母親。
2番目が家庭内暴力で旦那に殴られたおばさんと彼女を連れてきた民生委員のおばさん。
待ち行列一番目の下痢した子供とその母親が診察室に入る。
声が聞こえる。
子供:「下痢治った」
母:「この子はいっつもそういうんです。お医者さんが嫌いなんです。」
僕:(激痛に我慢できない→当直のガードマンに)
「心臓に激痛が走ってます。我慢できません。」
ガードマン:「じゃ、その旨受付用紙に記入してください。」
僕:(胸を押さえてしゃがみ込む)
ガードマン:(無反応)
医者:「お薬だすから、ちゃんと飲めるかな?」
子供:「下痢治った」
母:「この子はいっつもそういうんです。お医者さんとお薬が嫌いなんです。」
この段階で意識がもうろうとしてきて、会話も耳に入らない。
何か、1番目の下痢した子供は終わったようだ。
時計を見ると7時30分。30分かかった。
2番目が家庭内暴力で旦那に殴られたおばさんと彼女を連れてきた民生委員のおばさんが
診察室に入る。
もう会話を聞く余裕もない。
この頃になると、激痛で意識が断続的。
心臓が痛いだけではなく、胃を取り出されるような痛み、さらにあごの骨がボキボキと折れていく痛みが加わる。
やっと家庭内暴力で旦那に殴られたおばさんと彼女を連れてきた民生委員のおばさんが診察室からでてきた。
時計を見ると8時ちょうど。
1人30分が診察時間だ、と思ったら、民生委員のおばさんが、医者をつかまえて話を始める。
*僕は横になっていた待合室のソファからころげ落ちる。大きな音がした。
民生委員のおばさん:「先生、この人はこんな暴力振るわれても家に帰っちゃうんです。」
医者:「殴られたっていっても、痣にも何もなってないですよ。」
民生委員のおばさん:「あたしの家に行くように先生も言ってください。」
医者:「ここは病院なんで、そういうことは役所とか機関があると思います。」
こういうやり取りが30分続く。
僕は、民生委員のおばさんへの怒りで意識が戻ってきた。
「このババア、いい加減にしろ」
言ったつもりだが、声になっていないようだ。
セリフを変えてみる。
「救急車、呼んでください。」
*トータルで詳しい手術の内容は
「僕の心筋梗塞体験記」