お中元はいつも早めの6月すぐに手配している。
今年、1人だけ遅れた人がいます。
直筆で手紙を添えたかったから。
恩師、伊東光晴先生。昭和2年生まれ。
大学のゼミの面接で
伊東先生:「いままでどんな本読んだの?」
僕:「都留重人の”経済学は難しくない”です。」
伊東先生:「”経済学は難しくない”わけないよ。都留さんもいい加減なこと書いてるよね。」
とありがたいお言葉を賜り、伊東先生のゼミに入れていただいた。
実は、本は読んだが、著者の名前は読めなかった。
「都留」と書いて「つる」と読めるようになったのは、
後年、社会人になり、山梨工場に実習で行ってから”都留”という地名があり、
「つる」と読めるようになった。
こんなレベルで伊東ゼミに入れてもらえたわけで、「面接っていうのはチョロいもんだ。」
と今も思っている。
先生とは一時疎遠になったが、結婚式にご招待した頃から、またお付き合いが始まった。
お歳暮・お中元をお送りすると必ず実筆でお礼を書いてくれる。
最近の経済学界の動き、景気動向、井出君は頑張ってる、など中身も盛りだくさん。
*ちなみに、お歳暮・お中元を贈って興味深いのが先方の返事の仕方。
必ず奥様が「***内」と定型文でお礼を書いて来られる方、伊東先生のように本人実筆、など
その人のひととなりがわかる。
仕事をもらっている先の何の返事もよこさない担当者あたりは、仕事の関係なくなったと同時にお歳暮お中元はストップ。
この方の上司にもお歳暮お中元をだしており、いつも本当にうれしそうな声でお礼の電話をいただく。
今だにお付き合いが続いている。
そんな先生が、ゼミのOB会4日前に心筋梗塞で倒れた。
伊東光晴先生:東京で講演中、心筋梗塞起こし倒れる
ご高齢だし、心肺停止しているので、さすがにヤバイ、と思っていた。
ドッコイ、13日間の意識不明からの生還を果たした。
同じ心筋梗塞の経験者としては信じられなかった。